楽観的な

尉ヶ畑から峠を越えて

2月23日に降り積もった雪も、徐々に確実に融けてゆき、
しかしそれでもまだ村の小道、川の岸、山の辺は白く、
夜更けには凍り。

歴史家アーロン・ザックスは、わたしの疑問にこう答えている。
「探検家が目指すのはいままで行ったことのない場所ですから、
いつでも迷っているようなものです。彼らは自分たちの居場所が
正確にわかるとは思っていませんでした。とはいえ多くの者は
装備の運用に熟達していて、十分な精度で進路を把握していました。
自分たちが生き延びることができ、進むべき道がみつかるだろうと
いう楽観的な態度こそ、彼らのもっとも重要なスキルだったのでは
ないかと思っています」。

(レベッカ・ソルニット『迷うことについて』)