イタチ戦記

昨年末、母屋で日々を過ごす母から、離れで暮らす我々に
ちょっと不穏な情報がもたらされたのである。
朝起きてみると、ゴミ箱等が荒らされ、ちいさな足跡と
わずかのフンが残されている、という・・・
どうやら小動物が夜中に侵入しているらしい!うむむむ・・・
フンの感じからして、そんなにおおきな敵ではなかろう、
ネズミじゃなし、タヌキやキツネとも思えぬし、おそらく
ハクビシンかイタチ、テンのたぐいじゃろう、そうじゃのう、
とみんなであたりをつけたまではよいのだが、さてどうする、
皆の衆。

どうやら奴らはある種の匂い?成分?が苦手らしいので、
ホームセンターにある小動物の忌避剤を撒いてみたり、
ニンニクをたっぷりすりおろして置いてみたりしたのだが、
毎夜の侵入跡は別に変わらず、ただ母屋が激しくニンニク臭く
なるばかり・・・

外からの侵入路を探しているうちに年が明け、というか彼らが
入ってこれそうな隙間など、築百年超えの我がボロ母屋には
たくさんあって(通気性が良いというやつですね)、地道に
そのナチュラルバリアフリーをふさぐ新年のうちにも来襲やまず。
もうラチがあかぬ、とて、箱型のワナを買ってき、いつも跡を
残す一画にそっと据えたのが1月5日。エサはウィンナー。

翌朝。見事に捕まったのは、毛並みもうるわしいイタチ君でした。
殺生するのはちょっと忍びなく、結局妻と長男がかなり遠くの
山のなかまで運んでいって放ち、あぁおわったよかった落着落着。

のはずであるが、いちおう念のため同じ場所にワナを置いておく
ことにして(もちろんウィンナーもぶら下げて)、もう安眠して
おったところ、2日後の朝、またイタチさまが入っておられるでは
ありませんか・・・まさか山から還ってきたとも思えず、よく
見ると少し体もちいさく、顔つきもちょっと可愛げであり、もしや
ツガイですか?と聞いてもにべもなし。

イタチ

 

結局今度はもっと遠くの、県境の山奥まで妻とふたりでお運びして、
丁重にお見送りさせていただきました。オリから走り出たあと、
雑木のかげで振り向いてちょっと一礼、するようなことはもちろん
なかったけれど。あぁまだあなた達のフンやおしっこの後かたづけが
残っているのだよ・・・

つづく・・・いやいやもういいです。

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