透視図
今年の、造園屋・植木屋としての仕事にもようやく区切りがつき、
取り敢えずはホッとした気分です。
土曜の朝、うっすらと雪が降りかかり、これが初雪。
久美浜、海部から川上に向かう一本道のパース、彼方の低い山嶺も
真冬めいてきました。
ずっと奥の消失点(バニシングポイント)を基準とするパースペクティブ
(透視図)は、遠く西洋ルネサンスの頃からヨーロッパ文化圏の絵画の
技法(思考)であり続けてきました。
それは現在建築や造園などの図面を描くときにも、至極当然のテクニック
であり、自分も学んだのですが、ですが、自分にはそれがいつもなんだか
ちょっと居心地の悪いモノでした。
独立して以降、パースは描かなくなりました。それで表現できることよりも、
表現できないことの方が多いように感じるからでした。
「遠近法とは、斜線や横断線を、そして逃走線を占領し、つまりは
流動的な視覚のブロックを再領土化する歴史的な方式にすぎない。」
ドゥルーズ=ガタリ『ミル・プラトー/強度になること、動物に
なること、知覚しえぬものになること・・・』